世界はスーパースター企業の時代へ ーFRBによる政策の検証ー

寅蔵です🐯

今日は友人とドラゴンボール超　ブロリーを観てきました。長らくアニメなど観ていない私にとって、久しぶりのアニメ映画。見ると、原作でおなじみのキャラクター達が懐かしさを誘い、その一方で、リメイクされたような設定に違和感も覚えました。

人は最初に観たものを良いと思うものなのでしょうか？

 ブロリーの圧倒的な強さは変わりませんでしたが、やはり私にとってのブロリーは、黄緑色の髪をした巨大な狂戦士です。最後にはその姿を見せてくれて、やっと受け入れることができました。思い入れのあるキャラクターであるがゆえに、どうしても馴染むのに時間がかかりました。

私は他の人とは感性が違うのでしょうか、はじめにブロリーと戦うベジータを見て、エリートとして生まれ育ってきた彼が、スーパーサイヤ人になり、赤髪へと変身し（私は認知していないスーパーサイヤ人です）、最後に青髪のスーパーサイヤ人ゴッド？にバージョンアップして戦ってました。

「ああ、ベジータも今日までこうして努力を重ねて強くなってきたんだなあ」

としみじみ思いました。

圧倒的なベジータの攻撃に吹っ飛ばされてもすぐに反撃にぶっこんでいくブロリー。

打たれても打たれても、ただ全力で攻撃するその姿に、今の自分に足りないものを見せられました。私の上司もブロリーみたいな方ですが、上司に対して当たり障りないようにと距離を取ってきました。良くないと知りながらも。やっぱりキレる人にはトラウマがあります。ですが、そんな弱い自分ではいけないなと、彼らに勇気をもらいました。友達にもらったブロリーのフィギュアをそっと部屋の片隅に飾る🐯でした。

戦闘シーンについても、ブロリーの視点でみた悟空への攻撃シーンは迫力満点で、まさにブロリーが迫ってくるかのようでした。最新のCGを活かした世界観は、これまでのドラゴンボールとは違う面白さがあり、そのインパクトはやっぱりブロリーが敵であればこそ最大限に発揮できるのではないでしょうか。

ややネタバレになりますが、この作品では、原作では描かれなかった、悟空の母親サイヤ人も登場します。父であるバーダックの親としての愛情も注がれており、原作よりも好感が持てました（一方でラディッツは変な声で、嫌なやつでした。）

さて、

ブロリーのような圧倒的な強さは、アニメに限らず企業においても見られます。この危険な存在に対して、新たな規制が生じる可能性があります。これは十分なリスクになり得ます。

FRBの政策検証

アメリカ連邦準備制度理事会、通称FRBは、2019年に金融政策の枠組みを再検証する。

「スーパースター企業」の台頭で、賃金や物価が上がりにくいと指摘される中で、新たな時代の政策運営が課題となる。

FRBは１１月、金融政策を巡る戦略手段、コミュニケーションのあり方について、2019年に再検証するという異例の発表をした。2019年の６月４〜５日に、有識者を招いて後悔の研究会議を開催し、一連の公開イベントを通じて、多くの関係者の声を聞く意向だ。それらを踏まえて議論し、結果を報告する。

スーパースターの一人勝ち

上位１割の企業が、経済価値の８割りを生み出す。アメリカマッキンゼーグローバルインスティテュート（MGI）が2018年１０月に出した分析は、スーパースター企業の強さが益々、高まっていることを明らかにした。

MGIによると、世界の売り上げ１０億ドルを超える５７５０社を対象に、収益が上位１０％になる企業をスーパースター企業と位置付けた。サイヤ人の中でも、ブロリーのような強さをもつ企業のことだ。2014年から16年の期間において、一定の前提のもとに、投資した資本が生み出す利益を計算してみると、１社あたり１３億５５００万ドルの利益があった。これは、全企業の利益のうち、実に８０％を占める。企業の中においても、２割の人が８割の利益をあげる、というようなことは言われているが、これは企業全体にとっても同様みたいだ。これは何もアップルやマイクロソフトなどのIT企業の巨人と言われる会社だけではない。運輸、金融、自動車、通信など、多くの分野にわたって、一部の企業による寡占状態が強まっている。

スーパースター企業は、グローバルに事業を展開し、IT技術をフル活用することで、少ない労働力でサービスを提供している。これによって、低い「労働分配率」が実現できる。

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これら少数のスータースター企業によって労働分配率が下げられると、その産業全体の労働分配率も低下する傾向にあるよことがわかってきた。

専門家によると、スーパースター企業という流れを逆転するのは難しい、との見方が強い。これは、現状のままであれば、ワンタップバイで投資できる超優良企業は安泰であることを示しているが、あくまでも「現状」。この現状を最大多数の最大幸福に変えていくのが政治による規制である。

新たな時代の新たな政策

経済学は、時代と共に廃れては興る文明のような生きた学問である。従来ほどインフレーション（物価の高騰）が加速しない時代にさしかかっている。そうであるならば、従来までの金融政策はもう通用しない。そこで、金融政策の手段やコミュニケーションのあり方も変えていく必要がある。

日本ではこういった改革は全く起こりにくい体質であり、それが弊害になることも多いが、歴史の浅いアメリカにとっては変化することで成長していく気質が強い。

FRBのパウエル議長は、２０１８年の１１月に、２％のインフレーション目標と、雇用の最大化が達成されたことを踏まえて、金融政策を再検証するには今がいい時期である、ということを公表した。

古典的な金融政策では、物価や雇用の指標を見ながら、市場と意思疎通しやすい。景気が過熱してインフレに傾きかければ、金利を引き上げることで、市場に出回るカネを減らし、モノ＞カネのバランスにブレーキをかけてきた。

現在のFRBの政策金利は、2.25~2.5％である。2019年に２回、2020年に一回の利上げを見込んでいるが、インフレの勢いは弱く、利上げは３％程度で打ち止められる見込みだ。次の景気後退では、金利引き下げの金融政策だけでは不十分であるとの指摘もある。

タイミングを見極めることはかなり重要であるとしても、そんな経済の素人でもわかるような政策しか打てないこと自体、限界があるだろう。この場合は、国債などの資産を買い入れ、市場に資金を供給する量的緩和の再発動なども検討課題となるだろう。

アメリカでは、共和党の保守派を中心に、量的緩和に否定的な政治家が多い。中央銀行が大規模に資産を買い入れるのは、自由な市場を歪めるとの考えである。

パウエル議長は、政治感覚に優れていると言われている。金融政策の再検証で、「スーパースターだけに利益があるのはフェアじゃないと思いますが、どうしましょう？」、という投げかけをすることで、FRBの独断でなく、みなの総意であるという状況を作り出す狙いがあるのでしょうか。

そういった規制によって、スーパースターを潰すことはしないでしょうが、その地位が危ぶまれることはあり得るでしょう。利益が下がることもあるでしょう。そうなってくると、株価が下がってチャンスになるかもしれません。

一方で、S&P500 ETFを牽引して来た勢いを殺すことにもなりますので、慎重に見極める必要があるでしょう。これまで言われて来たように、単純にこのETFにだけ投資する、ということをしていいのか、検証しながら進んでいきましょう。

話は戻りますが、ホリエモンの「我が闘争」を読むと、日本における既得権益の人たちによる、若き新勢力への抵抗力は凄まじいものがあると感じます。

全てが新しいものが正しいとは思わないが、若い人たちの流れを阻害するようでは、変化に対応できないでしょう。孫正義さんもNTTとの戦いなどでも、こうした市場を独占した巨人は、成長をやめて独占に走ることで、腐敗していく様子が見て取れました。

江戸の徳川幕府の果たした功績は世界史に見ても目覚ましいものがあるが、一大勢力が永続することが国益に反する時代は、必ずくると知るべき。

現代は、目まぐるしいほどの変化が見られ、我々の目に見えないところで、どんどん動き始めており、認知される頃にはもう世界が変わってしまっている。時代は、先取りしながら、その流れを軌道修正していくのが、国民の勤めでもあるのかもしれません。

どんなことも受け身ではなく、はたらきかけることをやめずにいたいです。

どうでもいいけど、「スーパースター企業」っていうネーミングセンスはヤバすぎです。小学生のような純朴な感性を持つ方かもしれません。

意訳でしょうか、それとも直訳でしょうか。私にとっては、「ブロリーカンパニー」とかの方がしっくりきます。

ありがとうございました🐯

*1:労働分配率とは、企業の付加価値に占める人件費の割合のこと。例えば靴を手作りで作るのと工場で大量に作るのでは、工場の方が労働分配率が低い、ということだ。今の時代は、手作りなどの希少な価値も大切にされているが、アパレル業界のユニクロに象徴されるように、手作りと大量生産では、圧倒的な収益格差が生まれる。